病院の物忘れ外来で医師に診察を受けるメリット

昨今、病院で新たに開設されることが多くなっている診療科が物忘れ外来です。その背景にあるのは高齢化社会の進行です。
一般的に人間は高齢になると物忘れをすることが増えてきます。そのため、多くの高齢者やその家族も物忘れは年によるものと受け止め、病気と考えることは少なくなっています。
ただその頻度が多くなっていったり、これまでとは違った驚くような行動を家族がとるようになると、一度、病院で診てもらった方がいいのではないかと考えるようになるはずです。

 

病院の物忘れ外来で医師に診察を受けるメリット
しかし、ここで問題となるのが一体、どのような診療科で診察を受けたらいいのかということでしょう。
一般的には記憶に関わる部分の診察となりますので脳を調べられる診療科が適切な科となるのですが、いわゆる脳神経外科などは脳の疾患に関しては専門ですが、高齢者の認知機能の問題に対する知識が不足していることも珍しくありません。
また脳神経外科以外では、精神科や神経内科といった診療科も適したかとされていますが、この場合、万一、脳の疾患によって認知に問題が出ていると見落としてしまう可能性が出てきます。
このように一口に記憶に関わる部分の診察でも幅広い分野の知識を持っていなければ、適切な診断をすることが難しいといえ、高齢化社会が進むにつれて増えてきたこうした問題に対処するための診療科として物忘れ外来が開設されるようになったのです。
物忘れ外来の医師の多くは日本老年精神医学会や日本認知症学会で専門医の資格を修得していることが多く、その診断能力が確かなことはもちろんですが、患者への接し方についても熟知しています。
患者への接し方は非常に重要で、特に認知症などを患っていると患者本人が病気ではないと医師の診察を拒むようなケースも珍しくはないのですが、そうした患者に対しても専門医のアプローチによって、不快に感じさせることなく検査や話を聞きだし、診断をすることができるというメリットがあるのです。
またもともと精神科医である医師も少なくなく、認知機能の低下が病気によるものか、それとも老年性の心の疾患であるのかなどを見極めるだけではなく、患者家族の精神的な負担やそれによる体調不良などの治療を同時に行うことができるというメリットもあります。
高齢になるとどうしても認知機能に問題が生じやすいのですが、家族の中だけで悩んでいても解決することではありませんので、今、患者がどのような状態であるのかをしっかり把握し、どのような治療を受けるべきか、どのように患者と接するべきなのかを知るためにも大切な診療科なのです。