物忘れが激しい症状が出るのはどんな病気が原因となっているのか

物忘れは、加齢に伴ってどんな人であっても起こるようになる現象ですが、中には病気が原因で激しい物忘れを起こすケースがあります。では、激しい物忘れが症状の一つとなっている病気にはどのようなものがあるのでしょうか。

 

物忘れが激しい症状が出るのはどんな病気が原因となっているのか
物忘れを伴う病気として、現在もっともよく知られているのは、アルツハイマー病でしょう。この病気は脳に異常なタンパク質が増えることによって神経細胞が壊死していくとともに、脳全体が萎縮していくことによって起こる認知症の一種です。もの忘れで済んでいるうちはまだ症状は重くありませんが、異変を自覚できないまま放置をすると、記憶する能力自体が劣化してしてしまったり、近所を徘徊するようになったり、自分の名前や生年月日が言えなくなる症状が生じるようになります。現時点では発症するまでのプロセスが解明されていないため、一度発症してしまうと完全に治すことはできませんが、進行を遅らせることができる薬は開発されているため、治療では薬物療法と心理療法が併用されます。

 

もの忘れが多くなった上に、激しい頭痛やめまいを伴う場合は、脳の血管の異変が原因となって起きる認知症である脳血管性認知症にかかっている可能性があります。アルツハイマー病は数年かけて徐々に進行していきますが、脳血管性認知症は良い状態と悪い状態を繰り返しながら、短期間で進行していきます。
筋肉のこわばりや手足の震え、幻視などといった症状がもの忘れと一緒に起こっている場合は、レビー小体型認知症が進行している可能性があります。レビー小体は神経細胞の内部にできるタンパク質の構造物で、これが神経伝達機能を妨げたり、神経細胞自体を破壊してしまうことによって起こるのがレビー小体認知症です。アルツハイマー病と同様に、このタイプの認知症も薬によって症状の進行を抑えることはできますが、現時点では完治させる方法はありません。
上記の疾患は、MRIなどで脳の検査をすれば発見することができますが、検査でも発見できない病気があります。例えば若年性健忘症に伴うもの忘れは、重いストレスや精神疾患を抱いていたり、生活の中で脳を使う機会が少ない状態が続くのが原因でおきます。また、引越しや、配偶者や親友などの近しい人の死別などを経験した後に物忘れが激しくなったとすれば、老人性うつ病を発症している可能性があります。
このように、もの忘れが激しくなったときにはすでに深刻な病を抱えていることも少なくありません。病状は早く自覚すれば、進行を抑えられる可能性が高くなるので、おかしいと感じたら早めに病院へ行って医師に相談しましょう。